バリ島北東部、
バトゥール湖のほとりにあるツルヤン村。
そこには、
ほかのどこでも見たことがない、
不思議で少し怖い光景が広がっています。
湖畔に並ぶ頭蓋骨、
竹の籠に入ったまま地上に置かれる遺体、
そして「触ると呪われる」と語られる村のタブー。
写真を初めて見たとき、
私は思わず息を呑みました。
観光地とは思えないほど神聖で、
どこか現実離れした雰囲気。
まるで時間が止まり、
湖と森が静かに死者を見守っているように感じたのです。
今回は、
そんなツルヤン村の特別な葬送文化と、
現地で今も語られる呪いの伝承について
掘り下げていきます。
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ツルヤン村とは?基本情報
ツルヤン村は、
バリ島北東部にある小さな集落で、
バトゥール湖という
カルデラ湖のほとりに位置しています。
この村は、
バリ島の中でも特別な存在です。
なぜなら、
バリ島の多くの地域では火葬が行われるのに対し、
ツルヤン村では遺体を地中に埋めず、
竹の籠に入れて地上に安置する
独特の葬送文化を持っているからです。
さらに
この村の墓地は“神聖な場所”として
村人たちに守られています。
訪れる観光客は、
遺体や頭蓋骨に触れてはいけない、
声を荒げてはいけない
といったルールを守る必要があります。
私自身、
この村の文化を調べるうちに、
単なる観光地ではなく
生と死の境界に立たされたような気持ちになる場所
だと感じました。
地上に置かれる遺体とタルー・メニャン
ツルヤン村の最大の特徴は、
遺体を地中に埋めずに地上に置く葬送法です。
遺体は竹で編まれた籠に入れられ、
バトゥール湖のほとりの墓地に安置されます。
驚くべきことに、
そこには強烈な腐敗臭がほとんどありません。
その理由は
「タルー・メニャン(Tarumenyan)」
と呼ばれる香木にあります。
この木は特有の香りを放ち、
死臭を和らげる効果があると信じられています。
村の名前「トゥルヤン(Trunyan)」も、
この香木の名に由来しているといわれます。
村人にとって、
この香木は単なる植物ではなく、
“死者を守る神聖な存在”であり、
村の文化と深く結びついています。
私自身、写真や映像でこの風景を見たとき、
自然と人間の営みが調和しているようで、
不気味さと同時に美しさも感じました。
墓地に並ぶ頭蓋骨と観光
ツルヤン村の墓地を訪れると、
湖畔の石の祭壇や棚の上に
人間の頭蓋骨が
整然と並べられているのが目に入ります。
これは長年の風習で、
自然に白骨化した後、
頭蓋骨を集めて並べるのです。
この光景は、
観光客にとって非常に衝撃的でありながら、
どこか荘厳で神聖な雰囲気を漂わせています。
そのため、
ツルヤン村は「死と向き合う観光地」としても
知られるようになりました。
ただし、
ここには厳しいタブーがあります。
頭蓋骨や遺体に触れることは禁じられており、
無礼な行動をとると“呪われる”
という言い伝えも残っています。
実際に、
観光客が頭蓋骨を持ち上げたり、
写真をふざけて撮った後に
体調不良や事故に遭ったという噂が広まっており、
村人たちはこの墓地を決して
“見世物”にはしていません。
私自身、
こうした話を聞いて
「ここは単なる観光スポットではなく、
今も死者と生者が共存する“聖域”なのだ」
と強く感じました。
呪いは本当か?私の考察
ツルヤン村では、
墓地の頭蓋骨や遺体に触れると
「呪われる」と言われています。
観光客がふざけて骨を動かした後に事故に遭った、
体調を崩した
そんな体験談がSNSや口コミで広がっています。
もちろん
科学的に「呪い」を証明することはできません。
偶然の不運を“罰”だと感じる心理や、
恐怖心から体調を崩してしまう
ノセボ効果が働いている可能性もあります。
それでも、
こうした伝承が何世代にもわたって
語り継がれている事実は無視できません。
村人たちがこの場所を
どれほど神聖なものとして大切にしているか、
その信仰心が
この“呪い”を現実のものとして成り立たせている
のだと思います。
私自身、
もしこの場所を訪れたら、
絶対に骨に触れようとは思わないでしょう。
呪いの有無にかかわらず、
この村では“敬意を持って死者と向き合う”ことこそが
一番大切なのだと感じるからです。
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まとめ
ツルヤン村は、
バリ島でも特別な文化と信仰を今に伝える場所です。
遺体を地上に置くという独特の葬送文化、
腐敗臭を抑える神木タルー・メニャン、
整然と並べられた頭蓋骨、
そして
「触ると呪われる」という伝承。
これらは、
単なる観光スポットの不思議な風景ではなく、
村人たちが何世代にもわたって守り続けてきた
“死者との共生の形”なのです。
呪いが本当かどうかは分かりません。
しかし、
死者に敬意を払わずに軽んじた行動をすれば、
その土地に住む人々の心を深く傷つけるのは確かです。
私自身、
この村のことを調べて
「文化を理解することが最大のマナー」
だと感じました。
もし訪れる機会があれば、
ただの観光客ではなく、
祈りを捧げる一人の人間として
この地に立ちたいと思います。
参考文献
– [Wikipedia – Trunyan](https://en.wikipedia.org/wiki/Trunyan)
– [Atlas Obscura – The Village Where the Dead Are Not Buried](https://www.atlasobscura.com/places/trunyan-village-bali)
– [Bali.com – Trunyan Village and Its Mystical Cemetery](https://www.bali.com/trunyan-village.html)
– 現地観光ガイドのブログ、旅行者の体験記
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