【東南アジアの都市伝説の妖怪】トヨルとは?赤ん坊の精霊が財産を盗む都市伝説

08.222025

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赤ん坊のように見える小さな存在が、
夜な夜な人の家に忍び込み、
財布や貴重品を盗み出す――。


インドネシアやマレーシアでは、
そんな恐ろしい精霊の伝説が今も語り継がれている。



その名は

「トヨル(Toyol/Tuyul)」。



愛らしい姿をしているはずの赤ん坊が、
呪術によって操られると
「盗みの使い魔」と化し、
持ち主に富をもたらすと信じられてきた。


しかし、
可愛らしい外見とは裏腹に、
トヨルは時に制御不能となり、
召喚者やその家族に災いをもたらすとも言われている。


夜中に聞こえる赤ん坊の泣き声や、
見慣れぬ小さな足跡は、
トヨルが徘徊している証拠と恐れられてきた。


単なる民間伝承にすぎないのか、
それとも東南アジアの闇に潜む本当の怪異なのか。

今回のブログでは、
東南アジアで今も信じられる
都市伝説の妖怪「トヨル」の正体に迫っていく。

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トヨルとは何か


トヨル(Toyol/Tuyul)とは、
インドネシアやマレーシアの民間伝承に登場する精霊であり、
赤ん坊や幼児の姿をしていると伝えられている。



一見すると無邪気で愛らしい存在だが、
その正体は「盗みを働く妖怪」とされる。


持ち主に使役され、金品や財産を盗み出し、
隠された富をもたらすのがトヨルの役割だ。


人々の間では
「財布の中身がいつの間にか減っている」
「金庫が荒らされた形跡がないのに現金が消えた」
といった出来事が、
トヨルの仕業として語られてきた。


また、
子どもの姿をしているがゆえに哀れみを誘い、
恐怖と同時に不気味な悲しさを漂わせる存在でもある。


トヨルはただの怪談ではなく、
人々の生活に根付いた
「現実的な恐怖の象徴」
として信じられ続けているのである。



トヨルの起源と召喚


トヨルはどのようにして生まれるのか――その起源には、
背筋が凍るような伝承が残されている。


インドネシアやマレーシアの一部では、
トヨルは「胎児や幼い子どもの霊」を
呪術的に利用して生み出されると信じられている。

黒魔術を行うシャーマンや呪術師が儀式を行い
死者の魂を封じ込めることで
トヨルが誕生するのだという。


召喚されたトヨルは、
持ち主の命令に従って財産を盗んでくるが、
常に「血」や「生贄」を必要とすると語られている。


そのため、
トヨルを使役する者は富を得られる代わりに、
自身や家族が不幸に見舞われると恐れられてきた。

つまり、
トヨルはただの使い魔ではなく、
「禁断の呪術によって操られる呪われた存在」
なのである。



トヨルの特徴と噂


トヨルは赤ん坊の姿をしていると言われるが、
その存在には独特の恐怖を伴う特徴がある。


まず、
人々がトヨルの仕業だと信じる現象にはいくつかの共通点がある。


夜中に聞こえる「赤ん坊の泣き声」、
どこからともなく現れる「小さな足跡」、
そして鍵のかかった部屋から忽然と消える金品――。


こうした出来事はすべて、
トヨルが徘徊している証拠だと語られてきた。


さらに、
トヨルは盗みを働くだけでなく、
子どもに取り憑くとされる噂もある。

「家の子どもが急に体調を崩す」
「夜泣きが異常に続く」

といった現象を、
トヨルが原因だと信じる人々も少なくない。


トヨルは決して姿をはっきり見せない。

しかし、
説明できない出来事が起こるたびに
「トヨルの仕業かもしれない」
と囁かれ、
恐怖と不安を広めてきたのである。



現代に生きるトヨル伝説


トヨルは古い民間伝承にとどまらず、
現代社会においても生き続けている。


インドネシアやマレーシアでは、
今もなお
「財布からお金がなくなったのはトヨルのせいだ」
と噂されることがある。


また、
地方の村ではトヨルを使役する者がいると信じられ、
その家を避ける習慣が残っている地域もある。

インターネットの普及によって、
トヨルの目撃談はSNSや掲示板でも拡散されるようになった。


「夜中に赤ん坊の泣き声が聞こえたのに、近所に赤ん坊はいなかった」
「部屋を閉め切っていたのに、小さな足跡が床に残っていた」


こうした書き込みは、
トヨルの恐怖をよりリアルに広めている

さらに、
映画やテレビドラマでもトヨルは題材として取り上げられ、
現代のホラー文化の一部となっている。

トヨルは「古代の妖怪」でありながら、
同時に「現代の都市伝説」として
人々の想像を刺激し続けているのである。



まとめ


トヨルは、
インドネシアやマレーシアで語り継がれる
「赤ん坊の姿をした精霊」であり、
財産を盗んでくる妖怪として恐れられてきた。



その起源には呪術や死者の霊が関わっているとされ、
召喚者に富をもたらす一方で、
制御を誤れば不幸を呼び込む存在とされている。



赤ん坊の泣き声や小さな足跡といった不気味な兆候は、
今も人々の生活の中で
「トヨルの仕業」
として語られ続けている。


現代においてもSNSや映像作品で取り上げられ、
都市伝説として進化を遂げたトヨル。


それは単なる昔話ではなく、
人々の恐怖と想像力を映す鏡のような存在なのである。


参考文献
– Skeat, Walter William. *Malay Magic: An Introduction to the Folklore and Popular Religion of the Malay Peninsula*. Macmillan, 1900.
– Endicott, Kirk. *An Analysis of Malay Magic*. Journal of Southeast Asian Studies, 1970.
– Milner, Anthony. *The Invention of Politics in Colonial Malaya*. Cambridge University Press, 1995.
– インドネシア・マレーシアの民間伝承に関する口承資料


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